Rejuran(リジュラン)とは? ポリヌクレオチド(PN)が肌をどのように再生・修復するのかを美容皮膚科医が解説
近年、美容医療やスキンケアに関心のある方の間で「Rejuran(リジュラン)」という名前を耳にする機会が増えています。
韓国をはじめ、日本やタイなどアジア各国で人気が高まっており、
- 「サーモンDNA注射」
- 「肌育注射」
- 「スキンヒーラー」
- 「肌再生治療」
などと紹介されることもあります。
一方で、
- リジュランとは何なの?
- ヒアルロン酸やスキンブースターと何が違うの?
- 本当に肌が若返るの?
- どのリジュランを選べばいいの?
と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
近年の美容医療では、単にボリュームを補うだけでなく、「肌そのものの健康状態を改善する」という考え方が重視されるようになっています。
Rejuran(リジュラン)は、まさにその「肌再生(Regenerative Aesthetics)」という新しい概念を象徴する治療のひとつです。
Rejuran(リジュラン)とは?
リジュランは韓国で開発された注入治療で、主成分は PN(Polynucleotide:ポリヌクレオチド) です。
ポリヌクレオチドは、医療レベルで高度に精製されたサーモン由来DNAから抽出された成分で、近年注目されている再生医療由来の素材のひとつです。
「DNA」と聞くと、
「遺伝子を書き換えるのでは?」
と不安に感じる方もいますが、そのようなものではありません。
PNは人体のDNAを変化させるものではなく、肌細胞の周囲環境を整え、肌本来の修復機能をサポートする役割を持つと考えられています。
なぜ肌は老化するのか?
肌老化というと、多くの方は
「コラーゲンが減るから」
と考えます。
もちろんそれも大きな要因ですが、実際にはもっと複雑です。
加齢によって肌では、
- コラーゲンの減少
- エラスチンの劣化
- ヒアルロン酸の減少
- ECM(細胞外マトリックス)の劣化
- 肌の水分量低下
- バリア機能の低下
- 慢性的な微細炎症
などが同時に進行します。
その結果、
- ハリ不足
- 小ジワ
- 毛穴の目立ち
- 肌の乾燥
- くすみ
- 回復力の低下
といった変化が現れます。
ECM(細胞外マトリックス)とは?
近年の美容医療で特に注目されているのが ECM(Extracellular Matrix:細胞外マトリックス) です。
ECMは細胞の周囲を取り囲む土台のような存在で、
- コラーゲン
- エラスチン
- ヒアルロン酸
- 各種タンパク質
などから構成されています。
例えるなら、細胞が「住人」だとすると、ECMは「街のインフラ」です。
どれだけ優秀な細胞があっても、周囲の環境が悪ければ十分に機能できません。
若々しい肌ではECMが整っているため、
- ハリがある
- 弾力がある
- うるおいがある
- 回復力が高い
という状態が維持されています。
リジュランはどのように働くのか?
リジュランのPNは、ヒアルロン酸フィラーのようにボリュームを補う治療ではありません。
また、ボトックスのように筋肉へ作用する治療でもありません。
リジュランが目指しているのは、
「肌細胞が働きやすい環境を整えること」
です。
PNは肌内部で、
- 保水環境の改善
- ECMのサポート
- 肌修復環境の最適化
- 線維芽細胞(Fibroblast)の働きを支援
などに関与すると考えられています。
線維芽細胞(Fibroblast)との関係
線維芽細胞は真皮層に存在する重要な細胞です。
主な役割は、
- コラーゲン産生
- エラスチン産生
- ECM形成
です。
リジュランは直接的に線維芽細胞へ強い刺激を与えるというより、
線維芽細胞が働きやすい環境づくりをサポートする
というイメージに近い治療です。
環境が改善されることで、肌本来の再生能力が発揮されやすくなります。
ポリヌクレオチド(PN)が注目される理由
近年の研究では、ポリヌクレオチドは単なる保湿作用だけではなく、
- 創傷治癒(Wound Healing)
- 組織修復
- 血管新生(Angiogenesis)
- 炎症環境の改善
などへの関与も注目されています。
そのため、
- レーザー治療
- ダーマペン
- マイクロニードリング
- RF治療
などと組み合わせて使用されることもあります。
リジュランの効果として期待されること
リジュランはフィラーのように即座に顔の形を変える治療ではありません。
そのため、
「劇的な変化」
というよりも、
- 肌のキメ改善
- うるおい感アップ
- 肌のハリ感向上
- 肌のなめらかさ
- 肌の回復力サポート
- 健康的なツヤ感
といった変化を徐々に感じる方が多い治療です。
リジュランの種類と違い
Rejuran Healer(リジュランヒーラー)
最もスタンダードなモデルです。
肌全体の若返りや肌質改善を目的として使用されます。
おすすめの方
- 肌のハリ不足
- 乾燥肌
- エイジングケア
- 肌質改善
Rejuran i(リジュランアイ)
目元専用に設計されたタイプです。
目の下の薄い皮膚に適した粘度になっています。
おすすめの方
- 目元の小ジワ
- 目元の乾燥
- 目元のハリ不足
Rejuran S(リジュランS)
高粘度タイプです。
ニキビ跡や瘢痕治療向けに設計されています。
おすすめの方
- ニキビ跡
- クレーター肌
- 傷跡改善
Rejuran HB(リジュランHB)
PNに加えて、
- ヒアルロン酸(HA)
- リドカイン(麻酔成分)
を配合したモデルです。
おすすめの方
- 乾燥肌
- 水光肌を目指したい方
- 痛みが気になる方
リジュランとヒアルロン酸フィラーの違い
ヒアルロン酸フィラーは、
- 頬
- 顎
- こめかみ
- ほうれい線
などのボリューム補正が目的です。
一方でリジュランは、
- 肌質改善
- 肌再生サポート
- ECM環境の改善
が主な目的です。
つまり、
フィラーは「形を整える治療」
リジュランは「肌質を整える治療」
と言えるでしょう。
リジュランとコラーゲンブースターの違い
PLLA(スカルプトラ)やCaHA(ラディエッセ)などのコラーゲンブースターは、
コラーゲン生成を積極的に促す治療です。
一方でリジュランは、
肌環境の改善や再生サポートを目的とした治療であり、
より自然な肌質改善を目指すアプローチといえます。
リジュランがおすすめの人
以下のような方に適しています。
- 肌の元気がなくなってきた
- 肌の回復が遅くなった
- 乾燥しやすい
- ハリが低下してきた
- 毛穴が気になる
- 肌質を改善したい
- ナチュラルな若返りを希望している
まとめ|リジュランは「肌環境を整える」再生美容治療
リジュランは、サーモン由来DNAから抽出されたポリヌクレオチド(PN)を用いて、肌本来の再生力をサポートする美容医療です。
フィラーのように顔の形を変える治療ではなく、
- ECMのサポート
- 肌の保水環境改善
- 肌質改善
- 回復力サポート
を目的としています。
近年注目されている「Regenerative Aesthetics(再生美容)」の考え方に基づき、肌そのものを健やかな状態へ導く治療として、多くの皮膚科医や美容医療の現場で活用されています。
✨ Key Message ✨
Rejuran(リジュラン)は、フィラーのように顔を変える治療ではありません。ポリヌクレオチド(PN)によって肌細胞の環境を整え、肌本来の再生力をサポートしながら、ハリ・うるおい・ツヤのある健康的な肌へ導く再生美容治療です。